熊本信用金庫 金融機関コード:1951

  

ご挨拶

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会長 品川 良照

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理事長 井星 伸一

皆様方には平素より格別のご愛顧・お引立てを賜り、厚く御礼を申し上げます。本年もディスクロージャー誌「くましんの現況2023」を作成いたしました。本誌では、弊金庫の経営方針や業務・財務の内容について出来る限り分かり易く開示させて頂くこととしており、弊金庫についてのご理解の一助になれば幸いと考えて作成致しております。なにとぞご高覧頂き、ご理解を深めて頂きますと共に、より一層のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

さて、世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化により、食料やエネルギー資源の不足、原材料価格の高騰や供給網の混乱を招き、各国当局がインフレ脱却のための金融引き締めの動きを強めるなど世界全体が大きな変革期へ突入しており、中国・朝鮮半島における地政学的緊張の高まりも含め、今後の世界経済の見通しは下振れ圧力が強まっていると思われます。国内では、コロナ禍に伴う行動制限が緩和されたことで人流が活発化するにつれ、経済活動の正常化を背景に内需を中心に持ち直し傾向が窺えますが、前述の世界経済の先行き不透明感から我が国の金融・経済に与える影響が懸念されており、一部で賃金上昇やペントアップ需要の顕在化およびインバウンド消費の回復などが見込まれるものの、日本経済全体としては、決して楽観視できないものと思われます。県内においては、7年を経過した熊本地震を乗り越え、令和2年7月豪雨からの復旧・復興が進むなか、TSMC新工場進出を契機に関連企業の集積や道路・住宅をはじめとするインフラ整備等が動き出し、多大な経済効果が期待されるほか、この3月の阿蘇くまもと空港ターミナルオープン、ならびに同アクセス鉄道計画、また、観光の受け皿としてホテル建設も進むなど明るい見通しもありますが、地域の飲食業や宿泊業を中心にアフターコロナ後の人手不足は喫緊の課題となっており、仕入価格高騰分の価格転嫁が進めづらい地域の中小企業にとっては厳しい経営環境が続いています。このような中、当金庫は伴走型支援を掲げ、取引先の資金繰り支援や経営改善支援・本業支援に徹底して取り組んでまいりました。

当金庫の業績面につきましては、預金は地公体向け預金の減少を主因に前期比15億99百万円減少の1,772億24百万円、貸出金は不動産関連や企業の設備投資等が増加したことで前期比27億22百万円増加の1,044億84百万円となり、会員数16,010名で期末を迎えました。貸出金利息につきましては、今期も平均約定金利が若干低下したことに加え、期中平残の伸びも小さかったため前期比4百万円減少した他、役務取引等収益や団体信用生命保険配当金が減少したため、経常収益は前期比22百万円減少し28億34百万円となりました。一方、費用面につきましては、預金利息は前期並みだったものの、インフレ手当の支給や採用増に伴う人件費の増加や貸倒引当金の繰入増などにより、経常費用は前期比22百万円増加の23億23百万円となり、経常利益は前期比44百万円減少の5億11百万円となりました。しかしながら、消費税還付金が特別利益として計上されたため、当期純利益は前期比17百万円増の4億23百万円となりました。

令和5年度は、中期経営計画の2年目にあたります。経営計画の基本方針下に掲げた (1)金庫活動の前提としてのコンプライアンス態勢および健全性の強化と人材育成、(2)地域・取引先に寄り添った伴走型支援、(3)業務の変革の方向性、の3つの重点施策の実現をめざし、取り組んでまいります。また、本年8月には、地域の皆様のおかげで節目の100周年を迎えることができます。この100年存続の御恩に報いるため、これまで以上に「お客さま」に満足していただき、「地域経済」が活性化し、そして、「熊本信用金庫」も「職員」も良くなるという「四方良し」を肝に銘じ、全役職員の力を結集してお取引先や地域の発展に尽力してまいりますので、引き続きのご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年7月
会長 品川 良照
理事長 井星 伸一